手抜き工事をする住宅会社の特徴7選【欠陥住宅を防ぐ方法】 | 「住宅会社の選び方」を学びたい

「欠陥住宅に住みたい」「手抜き工事をされたい!」なんて人はいませんよね。ですが、手抜き工事をする会社の見極め方を知っている人はほぼいません。悪い住宅会社は、隠すプロです。欠陥住宅を建てなさそうに振舞っていますし、手抜き工事をしなさそうな誠実な顔をしています。

そこで、今回は悪い住宅会社に騙されないためにも、欠陥住宅を建てる住宅会社がやりがちなことを紹介します。悪い住宅会社は隠したいがために、色々なボロや兆候を出します。特に契約前にあらわれる7つの特徴を紹介するので、手抜き工事をされないように住宅会社を見極めてくださいね。

今回は以下を詳しく解説していきます。

欠陥住宅を防ぐための大原則

住宅会社を選んだ時点で、家づくりの運命はほぼ決まっています。「工事中にこれをチェックしましょう」「インスペクターを入れていきましょう」のように欠陥住宅を防ぐ方法がたくさん紹介されていますが、それが必要ないようにすることが一番手っ取り早いです。

工事中のチェックは素人には限界がありますし、24時間365日見ているわけにもいかないので、悪い会社は上手く隠してしまいます。しかも、施主が細かくチェックしようとすると、住宅会社との関係が破綻してしまいます。そうなると、家づくりが嫌な思い出になってしまいかねません。

悪いことをする住宅会社がいけないのは大前提として、そういった住宅会社を選ぶ施主にも責任があります。そこで、契約前におかしな会社を選ばないように見極める方法を紹介します。契約前では施主は接待されますが、請負契約書はどうしても施主にとって不利なものになります。そこを逆手にとってくるような住宅会社ではなく「誠実にやります」「困りごとは一緒に解決しましょう!」という良い住宅会社と契約してほしいという願いを込めて今回の内容を紹介します。

手抜き工事をする住宅会社の特徴7選

①営業マンが大工・職人の名前を知らない・交流をしていない

私も営業をしていましたが、相手は自分の大切なお客さんです。その人が一生住む家を作ってくれる人の顔を知らないなんてことは、住宅営業マンとしてあり得ないです。「お客さんのために良い大工さんを指名したい!」と思うくらいが普通の感覚です。

「契約したらどんな大工さんが建てるんですか?」「お名前は?」「どんな人ですか?」「どんな交流をしていますか?」「飲みに行ったことはありますか?」と聞いてみてください。それに対して「現場は現場なので」「うちは管理されているので」なんて答える営業は信用できません。

ちゃんとしている会社なら、しっかり大工さんを接待しています。その結果、大工さんは「営業さんのためなら一生懸命やろう!」「良いお客さんのためだからプラスアルファをやろう」と思うようになります。それを分かっている営業はちゃんと大工さんとコミュニケーションをとっていますよ。

②気密測定をしない

「モデルハウスのC値は〇〇です」「うちは高気密・高断熱住宅をやっています」と言うのは簡単です。

UA値は簡単で、机上の計算で出せる理論値です。ただし、施工精度はこのUA値ではなく気密測定で分かるC値にあらわれます。モデルハウスでの測定結果や平均値ではなく、自分が実際に住む家の気密測定をすることが大切です。気密測定をしないのは、現場の職人や施工に自信がない証拠。そういう会社は何をするか分からないので注意してください。

良い会社は当たり前に気密測定をします。なんなら施主が来ているところで気密測定をしてくれる会社は最高です。全部オープンにしてくれる工務店の方が良いですよ。

C値は0.7以下必須で、可能であれば0.4以下を目指したいものです。この数値が0.1違うからどうこうということはありませんが、施主が言わなくても「気密測定は当然行います」「住宅性能が我々の強みです!」と言ってくれるような住宅会社であれば、手抜き工事をされる可能性は極めて低いですよ。

③工事中の報告がない

工事中は現場が汚くなりますし、途中経過を見せると施主にあらぬ心配をさせてしまいかねません。それは分かりますが、それでも報告しなければなりません。報告しないということは、見せられないものがたくさん置いてあるなど、施工状況が悪いと考えられます。

自信がある会社は現場報告をしてくれます。お客さんを喜ばせようと現場報告のために写真や動画を撮ることで、綺麗な現場が保たれます。つまり、適度な緊張感が走ります。さらに、写真や動画を撮って現場の進捗を職人さんが把握することで、工程の遅れも防ぐことができます。このようなメリットがあるので、ちゃんと施工している会社にとっては報告をするのは良いことづくめです。

逆に手抜き工事をしている会社にとっては、不都合なことばかりなので進捗報告をしません。このように大事なポイントですので、契約する前に工事中の報告頻度を確認して、記録しておくことをおすすめします。

④工事前の挨拶がない

工事というのは家を作るだけではなく、ご近所さんとの関係を作るという重要な役割も担っています。施主は近所の人から「礼儀正しくて現場も綺麗で、良い人たちですね!」と言われたいもの。そういったことを分かっている住宅会社は、着工前の挨拶をきちんとしてくれます。

工事中は音がうるさいですし、たくさんの車も走って邪魔になります。それを近所の人は分かりつつも「挨拶くらいは来てほしい」と思っています。だからこそ、着工前の挨拶と工事中の近隣住民との関係構築をするのが良い住宅会社ですよ。

⑤契約時に設計士や現場監督が未確定

これは絶対にダメというわけではありませんが、決まっている方が良いです。土地を買った場合や持っていた場合、現場調査を行います。その時に工務店の設計の人がメインで調べて役所庁舎に行き、現場監督が中心になって水道や造成工事について考えてくれます。その際、調べてくれた担当者と実際の担当者が違うとトラブルの元になります。

そのため、しっかりしていて誠実な住宅会社は、現場調査に行った人間がその物件を担当します。つまり、契約する段階で設計と現場監督が決まっていることが多いです。

契約時に「設計士と現場監督はどんな人ですか?」「ちょっと会うことはできますか?」と聞いてみてください。もし「決まっていない」と言われたら「現場監督は何人くらいいるんですか?」「新人の人は避けてもらえませんか?」「うちの親は現場監督にうるさいんです」などと言って、エースを指名してください。

住宅会社側としては若い人に経験を積ませたいかもしれませんが、施主としては失敗できないのが家づくりです。エースやベテランをつけるようにお願いするのも効果的ですよ。

⑥着工前に引渡し日が決まっていない

これは工程管理が緩い会社の特徴です。工事前に引渡し日が決まっていないのはリスクが大きいですよ。決まっていても施主に伝えないこともありますが、本当に決まっていないと工程がズルズル延びがちです。

「そういえば引渡し日って決まってないよね?」と施主が不安になってしまいますし、引越しの予定も立てられません。家電やベッドを買う計画も立てられず、施主側から聞く羽目になりがちです。

着工前に引渡し日を必ず決めてください。また、引渡し日だけではなく「施主検査」という現場の完成をチェックする日も決めてください。契約前の確認は難しいかもしれませんが、着工前の最初の打ち合わせの時に「引渡し日を決めましょう!」と言ってくださいね。その方が工程もブレにくいですし、引越しの計画も立てやすいですよ。

⑦現場のルールが曖昧

「たばこは指定の場所で吸ってください」「車の中で吸ってください」のように喫煙ルールが曖昧だと、ご近所さんからの評判が悪くなります。

他にも現場に「整理整頓」と書いてあるかどうかも重要なポイント。現場は土なので、雨の日は道路が汚れてしまいます。それをちゃんと水で流すというルールが決まっているのかも大切です。また、工事を行う曜日や時間帯などのルールを決めていない会社はダメです。工事のルールを確認してください。

そういったルールを聞いて、記録しておくのがおすすめです。工事が始まってからも完璧にルールが守られるとは限りませんが、記録しておくことで「事前にこういったルールを聞いておりましたので、ここは守っていただきたいです」と工務店側に伝えていく施主側の努力もプラスに働きますよ。

施主検査チェックの心得

引渡し前に家が完成したら、工務店の人と施主が現場に集まってチェックするのが施主検査です。その時に何をすべきか、心得を紹介します。

詳しくは【施主検査チェック表】に細かいチェック内容が書いてあるので、ご確認ください。

①最終図面を持参する

施主検査の時には最終図面を持って行ってください。着工前の打ち合わせの図面通りにできているかをチェックするので、その図面が手元にないと正しいかどうか分かりません。施主側が意外と忘れていることも多いので、お互いに間違いがないように持って行ってくださいね。

②全ての扉・窓の開閉や施錠を試す

実際に住んだつもりで、全ての扉・窓・引き出しの開閉や施錠をしてください。これで大体不具合が出てきて、直してもらうことになります。

住んだ後に不具合が見つかると、来てもらう日程を決めて立ち合いをしなければならないので面倒です。事前に全てチェックしておくことで、入居後の暮らしがよりスムーズになりますよ。

施主検査の内容に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。

関連記事:【施主検査】引渡”前”に必ず見て!工務店のミス9選「扉・窓」編

③「やってくれているだろう」は禁物!

信用している工務店なので「大丈夫だろう」と思いたくなります。ですが、ここは心を鬼にして「施主の自己責任」で確認してください。「やってくれているだろうけれど、一応確認します」というスタンスで確認することが大切です。

④細かく見過ぎない

細かく見過ぎるとキリがないですし、工務店との関係が悪化する恐れもあります。面倒くさい施主にならないようにしてください。住んだらつくような細かい傷くらいは目をつむってくださいね。

ただし、仕様の間違いや大きな傷、明らかな不具合は遠慮せずに指摘してくださいね。

⑤事前にチェック表の確認を依頼

施主検査チェック表を当日に持っていくと面倒ですし、嫌な感じがします。施主検査の前に工務店側に「こんな表があるので、事前にチェックをお願いできますか?」と伝えておいてください。チェックされた状態で当日を迎えれば、念のための確認ですみます。

施主検査チェック表には「床下の掃除がされているか」という項目もありますが、当日に全て施主がチェックすると時間がかかりますし、変な空気になります。そういった点は事前にチェックしてもらって写真を撮っておいてもらえば良いので、工務店にチェックをお願いしておくのがおすすめです。

もちろん、BE ENOUGHが推進する「せやま印工務店」に関してはチェック表を理解しているので話はスムーズです。ただし、せやま印工務店でも事前にチェックしてくれているとは限らないので、施主側から積極的に利用を促してくださいね。

まとめ

欠陥住宅を建てる住宅会社の特徴と施主検査チェックの心得

  • 欠陥住宅を建てる住宅会社の特徴
    ①営業が大工・職人の名前を知らない
    ②気密測定をしない
    ③工事中の報告がない
    ④工事前の挨拶がない
    ⑤設計士や現場監督が未確定
    ⑥着工前に引渡し日が決まっていない
    ⑦現場のルールが曖昧
  • 施主検査チェックの心得
    ①最終図面を持参する
    ②全ての扉・窓の開閉や施錠を試す
    ③「やってくれているだろう」は禁物!
    ④細かく見過ぎない
    ⑤事前にチェック表の確認を依頼
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せやま印工務店とは?

PROFILE

手抜き工事をする住宅会社の特徴7選【欠陥住宅を防ぐ方法】 | 「住宅会社の選び方」を学びたい

せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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