2025.03.12
今回は、大工さんに直接「嫌われて大損する施主の特徴」を聞いてきました。私と10年来の付き合いの名棟梁が本音を話してくれますよ。また、職人から見た良い工務店と悪い工務店の見分け方も紹介します。
もちろん職人さんもプロなので仕事はしっかりしますが、工事中の施主の対応によって「より良い工事をしてあげよう!」と思う施主と、思わない施主がいます。たとえば「お金を払っているから」と偉そうにする施主に対して、職人のやる気がなくなるのは当然ですよね。
職人は複数の工務店の仕事を受けているので、施主以上に工務店の良し悪しを見分ける力を持っています。今回は、長い付き合いの棟梁が赤裸々に教えてくれたので、ぜひ契約前にこの記事を読み、表面的なものではなく本当の意味での良い住宅会社の選び方を学んでください。さらに、もらって嬉しい差し入れと、ちょっと困る差し入れといった話も聞いたので、既に契約をしている人も参考にしてくださいね。
今回は以下を詳しく解説していきます。
目次
良い施主の特徴は?
棟梁:
「自分の建てる家に対して、興味や関心がある人は良い施主ですね。意外と自分の家なのに興味を持っていない施主もいます。たとえば現場見学も着工してから完工まで一度も見に来ないと、どんな人が住むのか分からないので、イメージしにくいです」
お施主さんは「現場に行くと邪魔かも」と遠慮する人も多いかもしれませんが…。
棟梁:
「どちらかといえば、見てほしいです。家は自分の作った作品になるので、どう表現するか見てほしいと考える職人さんの方が多いです」
どんな言葉をもらうと嬉しい?
棟梁:
「『楽しみにしています』『期待しています』など、任されている感じや、信頼してもらっている感じがモチベーションに繋がります」
施主からすると「手ぶらで見に行くのは悪いかな」「でも、差し入れは何を持っていけば良いのか分からない」と思いがちです。実際、差し入れは嬉しいですか?
棟梁:
「嬉しいです。受け取りやすいものとしては、缶コーヒーなどの飲み物が良いです。暖かいものでも冷たい物でも、どちらでも大丈夫です。逆に、嫌ではないけれどちょっと困る差し入れは、夏場だと、その場で食べないといけないアイスクリームなどです。すぐに食べないとダメという点では、困るので遠慮してほしいと思うことがあります」
嫌われる・ちょっとテンションが下がる施主の特徴は?
何かあってもしっかり仕事をされる、というのは前提として、嫌な施主やちょっとテンションが下がる施主の特徴はありますか?
棟梁:
「横柄な態度の施主は、正直言って嫌な施主です。偉そうで上から目線の施主は、人間的に拒んでしまいます。また、現場で何でもかんでも『ついでだから』と言って『これもやって』『あれもやってほしい』と言われるのは嫌ですね」
良い工務店・ヤバい工務店の見分け方は?
施主は「良い会社で建てたい」と考えていますが、住宅会社の営業マンはプロフェッショナルなので説明が上手く、一見どの会社も良さそうに見えるため、施主は「どの会社を選べばいいのかわからない」と悩むことがあります。大工さんからすると住宅会社の体制や職人への考え方といった内情が見えていると思いますので、良い工務店やハウスメーカーの見極め方を教えてください。
棟梁:
「職人から見ると、営業マン・設計士・現場監督が職人の名前と顔を一致させているのは良い工務店・ハウスメーカーです。顔も知らない職人さんに自分のお客さんを任せられない、という感覚を持っていることが重要です。自分のことを信用してくれて、『あなたに任せます!』と言ってくれたお客さんの家を、名前と顔が一致していない人に依頼するなんて無責任なことができるの?と思います。作る上で材料が良くても、作る人が悪ければ良い物はできません。
良い工務店は、大工を選抜しています。逆に言えば、ホームページに【大工・職人募集】と書いてあるところは、誰が入ってくるか分からないです」
大工が入れ替わり立ち替わり入っている会社はヤバいです。大手ハウスメーカーの施工の当たり外れが大きいのは、登録制のようなシステムを採用していて、色々な工務店に声をかけて大工を集めているからです。そのため色々な職人が寄せ集めになって入っているので、誰が来るのか分かりません。「担当者の名前も知らない」というように、いつも入る職人が違う現場は、外れる可能性が高いです。馴染みの職人さんのチームで入っているかは、すごく大事なポイントですよ。
大工 or 棟梁どちらが正しい?
大工と呼ぶのか棟梁と呼ぶのかは、意外と大事なポイントなので紹介します。
棟梁:
「営業がお客さんに『棟梁』と言うか『大工』と呼ぶかで判別できます。大工というところは、基本的に大工工事だけを任せています。棟梁の場合、現場の責任を一括してお願いされています」
住宅会社を決める前にやるべきことは?
棟梁:
「会社を決める前に、その会社が建てている物件を工事中に外から見るのもおすすめです。その時に入っている職人さんの雰囲気が分かりますよ」
工事中の雰囲気を見せてもらえて、職人さんに会わせてもらえるというのが一つのポイントです。ぜひ打診をしてみてくださいね。
また、工事が始まった時に住宅会社に許可を取らずに見学に行って良いかを聞いてみると参考になりますよ。現場が汚かったり職人の教育が悪い、いつも入る職人が違うなどの現場は、施主が勝手に見学に行くと住宅会社が困ってしまいます。
そのため「いつ行っても良いですか?」と聞くのは、良い職人が入っているかどうかを見極めるポイントの一つになるので、試してくださいね。
こだわっているところは?
棟梁:
「木の性質にこだわっています。これにこだわらないと、後から大変なことになります。家具を引越した後に置くと、水平じゃないのでカタカタしてすぐに分かります。
ここの間もKD材ですが、内側に反るとダメなので外側に反らせます。丸く作ることが大切です。内側に反っていると家具を置いた時にカタカタして、引越した時に「施工不良かな?」となります。ただ、もう後から直せない部分なのでこだわっています」
まとめ
職人が嫌う/喜ぶ施主・良い工務店の特徴
- 嫌う施主
横柄な人
ちょっと+αを職人に頼む人 - 喜ぶ施主
感謝や期待を伝える人
差し入れをくれる人 - 良い工務店
営業担当が職人の名前を知っている
現場に気軽に遊びに行ける
契約前に工事現場を見に行ける