2024.11.14
「不動産投資」と聞くと「怖い」「ハードルが高い」「金額が大きくて難しそう」と感じる人が多いでしょう。しかし、10年以上投資を経験した身からすれば、知識とちゃんとしたパートナーを見つけることができれば、再現性高く儲けられる投資だと感じています。もちろん、悪徳住宅会社以上に悪徳不動産会社が多い業界なので、そこは上手く回避しなければなりません。
そこで今回は、年収や自己資金別にできる不動産投資や、どれくらいお金がかかり、儲かるのか、どのような落とし穴があるのかを解説します。私自身、会社員時代から10年以上不動産投資をやっている投資家ですし、住宅ローンを組んだ状態での不動産投資も一通り経験があります。その上で、軽く1,000万円の利益は出ています。
「これから家を建てる予定だけど不動産投資をしたい」「既に家を建てたけど不動産投資をしたい」という不動産投資初心者の人向けに、私自身の10年間の経験を交えてリスクを回避する方法を紹介します。ただし、家づくりと同じように投資も自己責任です。今回紹介するのは、あくまで投資家目線の話です。投資はリスクがつきもので絶対儲かるという保証はありません。しかし、リスクを避けることでチャンスが逃げるというリスクを負うこともあります。それを理解した上で、自己責任で投資するかどうか決めてくださいね。
今回は以下を詳しく解説していきます。
目次
不動産投資の基礎知識
利益を得る方法①インカムゲイン
そもそも不動産投資とは、いくらかの自己資金(現金)を突っ込んで数倍ほどの融資を借り、賃貸マンションなどを買ってオーナーになります。つまり、大家さんなので、毎月賃料をもらうことができます。これがいわゆる「インカムゲイン」と呼ばれる利益です。
ただし、賃料をもらうだけではなく管理をしてもらうための管理料や、空室ができた場合に新しい入居者を探してもらう費用、不動産投資用のローンの支払いなどの費用が掛かります。その余った分が利益として入ってきます。
利益を得る方法②キャピタルゲイン
もう一つの方法は、5年、10年、15年というように不動産を所有し、減価償却や大規模修繕の時期を狙って売却します。その上で、売却した金額と不動産投資のローンの差額を利益として得るキャピタルゲインと呼ばれる方法です。ただし、これは残念ながら税金を取られるので、差額が全て利益になるわけではありません。
不動産投資では、インカムゲインとキャピタルゲインによっていくら儲かるのかを緻密にシミュレーションした上で、投資をするかどうかを決めていきます。
私が不動産投資を好む理由
①融資でレバレッジが効く
株や証券を買う時は、手持ちの現金が100万円だと100万円分の株や証券しか買えません。一方、不動産投資は収益目的ではあるものの、1,000万円の自己資金を出すことによって、たとえば9,000万円のローンで借り入れを受けることができます。それによって合計1億円の物件を購入し、1億円の物件に対する利回りを享受することができます。
単純に考えた場合、1,000万円の5%でしたら50万円しか儲かりませんが、1億円の5%なら500万円の儲けになります。
つまり、投資する金額にレバレッジをかけて自己資金よりも多くできるので、効率的に投資ができます。もちろん、それに伴ってリスクも出るため、絶対に失敗してはいけません。失敗した場合、一発で自己破産に追いやられるリスクがあるため、注意が必要です
②インフレの対策ができる
不動産投資はインフレへの対策もできます。物価が上がる時に、一番リスクがあるものは現金です。今は1,000円で1杯のラーメンが買えても、インフレが進んだ5年後には1杯のラーメンが2,000円になっていて、1,000円では買えなくなるかもしれません。このように物価が上がっているのに現金を持っていると、どんどん価値が下がってしまいます。
そのため、インフレ時代には「現物資産」と呼ばれ、物価上昇と共に価格が上がるものを持つことが一番のインフレ対策になります。その一番顕著なものが「土地」です。しかも、土地はレバレッジを効かせて、自己資金よりも高い土地を持つことができるためめちゃくちゃ良いです。
このように、不動産投資は収益で儲けるだけではなく、リスクヘッジまでできるというメリットがあります。
③良い管理会社なら、ほぼ放置できる
不動産投資にも古い家を買って自分で管理して入居者を募集するようなやり方もありますが、良いパートナーを見つけて放置することもできます。実際、私も決算の際は税理士さんにお任せして、その後は経費をまとめたエクセルを出して、確認内容に承認しているだけなので、めちゃくちゃ楽です。ただし、良いパートナーを見つけた場合に限ります。
株やFXの場合、ドキドキするので私は苦手です。5~6年前に買った仮想通貨は持っていますが、長期保有用として放置しているので、今いくらになっているのかは分かりません。
そういう点で、不動産投資はあまりドキドキしませんし、ある程度は手離れが良いというメリットが私に合っています。
④節税対策にもなる
ある程度の年収になると税金が上がります。それを合法的に節税対策に使えるのが不動産投資です。私が今不動産投資に熱中しているのは、この理由が大きいです。
不動産投資のリスク
①悪徳業者が多い
不動産投資では悪徳業者がめちゃくちゃ多いです。私も不動産投資を始める時、30社くらいは面談しました。その中で、本当に良い会社だと思ったのは1社だけです。1/30で見つけることができましたが、良い会社に出会える確率は1/100くらいかもしれません。
住宅会社も変な会社が多いですが、不動産業界も色々な人がいます。これが不動産投資を始める一番のハードルかもしれません。
②物件と管理会社選びを間違えると終わる
不動産投資は買う時も大事ですが、その物件の管理や入居者集め、掃除を頼む管理会社の選び方を間違えると大変なことになります。家づくりもパートナー次第ですが、不動産投資もパートナー次第で結果が変わるという難しさがあります。
自己破産をすれば人生をやり直すことはできますし、日本には生活保護もあります。ただし、レバレッジを効かせてヤバい物件を買ってしまうと、破産する羽目になるくらいリスクがあります。
③一獲千金・ぼろ儲けはできない
FXや仮想通貨のように一獲千金やぼろ儲けはできません。不動産投資は結構地味です。10年や15年かけてインカムゲインやキャピタルゲインを何倍にできるのか、という勝負ですので、1年で倍や2倍にはできない地味な投資です。この点も私に向いていると感じるポイントです。
年収別不動産投資の実践方法
年収1,000万円以下の場合
年収1,000万円の場合、不動産投資も不可能ではありませんが、まずは稼ぐことをおすすめします。
年収700万円以上の場合
年収が700~800万円だと土俵には乗れます。ただし、会社員の属性を使ったアパートローンが中心になるので、上場企業のように財務が安定した会社に在籍していることが一つの条件になります。また、自己資金すなわち金融資産は最低でも1,000~1,500万円くらいは持っていなければなりません。
ただし、個人的には年収が1,000万円以下の場合は不動産投資よりも稼ぐことがおすすめです。自分という事業に投資をして、稼ぐ力を身につけないと不動産投資も上手くいきません。不動産投資はある程度の自己資金が必要なので、そもそものお金を生み出す力が一番大事です。さらに、家を建てるとある程度の現金がかかるので、年収1,000万円以下の方は不動産投資ではなく、年収1,000万円以上稼げるスキルを身につけたり、儲かっている環境(業界)に身を置くことに力を傾けてください。
年収500万円以下は無理?
年収500万円以下でも、金融資産が3,000万円以上ある場合は投資が可能な場合もあります。不動産投資ができるかどうかは、融資が下りるかどうかで決まります。また、最近の融資は年収というよりも金融資産を重視する傾向になってきているので、とにかく現金が手元にある人が強いです。
「家づくりなんかにお金をかけるな」というのは、こういうことです。現金は事業にとっても不動産投資にとっても大切なものですよ。
年収1,000~1,500万円の場合
これくらいの年収なら、不動産投資を考えてもOKです。
ワンルーム投資は絶対にNG
ただし、ワンルーム投資は絶対にやめてください。絶対に損をするとは言えませんが、ほぼ損をする可能性が高いです。年収が600~800万円でも勧誘されて失敗するリスクが大きいです。
ワンルームマンションへの投資は、収益性が非常に低いです。「毎月1万円の支払いで資産を持てます」といったPRもありますが、実際には赤字を抱える可能性が高いです。このような投資は、収益が見込めない物件を購入するリスクがあります。また、ワンルームマンションのような区分所有の物件では、一度空室になると収益がゼロになるため、リスクが高まります。特に新築の区分所有物件は注意が必要です。新築物件にはプレミアム価格が上乗せされているため、購入後に売却しても利益が出ず、赤字になることが多いのです。
また、ワンルームのマンションに対して、住宅ローンを不正利用して買わせる業者が未だにあります。バレたら一発で全額返済を求められますよ。
住宅ローンは投資に不利?
融資は融資なので不利になります。特にアパートローンは会社員としての与信を使った不動産ローンなので、住宅ローンは不利に働きます。ただし、年収による借り入れの限度額の枠が減るというだけなので、それ以上に年収があれば不動産投資もできますし、持っている自己資金の額によっては変わってきます。不動産投資と家づくりを並行して考えている人は、まずは不動産投資の会社に「どれくらいの住宅ローンなら、どれくらいの影響が出るのか」を確認してください。
私も「これくらいの借り入れなら、どれくらいの不動産投資ができますか」「買おうとしている物件に影響はないですか」と聞きながら慎重に進めました。このように慎重に動いてくださいね。
年収1,500万円以上の場合
年収1,500万円(所得で900万円以上)を超えると、社会保険料や所得税の率がめちゃくちゃ上がります。1,500万円を超えたら33%になりますし、住民税を入れたら43%になり、50%近く取られるゾーンに入ってきて手取りが増えなくなります。そのため、節税物件を視野に入れるのがおすすめです。
簡単に言うと、不動産投資には減価償却という考え方があって、実際にお金は出ていかないものの収益上は赤字を出すことができます。サラリーマンの収入と不動産物件の赤字を合算することで、個人の収入を圧縮できます。
これによって所得金額による所得税率が33%、住民税を入れたら43%になっていた部分を圧縮するとめちゃくちゃ効果があります。
さらに年収2,000万円(所得で1,800万円以上)を超えてくると、所得税が40%になります。さらに所得が4,000万円を超えたら所得税は45%になります。これに住民税を加えたら55%という値になってきます。だからこそ、節税物件を視野に入れて不動産投資をするのが効率的です。
節税物件の注意点
ただし、節税だけを目的にしないようにしてください。あくまで不動産は収益物件なので、インカムゲイン(賃料)で儲かるのか、出口戦略(キャピタルゲイン)が成功するのかを考えてください。仮に利益が出なくても、そんなに赤字にならないのかということは細かくチェックしてください。節税物件であっても節税分の効果だけではなく、インカムゲイン・キャピタルゲインを総合的に見たシミュレーションをして、ちゃんと儲かるかを計算してください。自己資金が何倍になって返ってくるのか、ということが全てです。
「節税をした!」と思っていても賃料でも売却の際にも赤字になっていて、総合的に見るとそれほど得をしなかった、という人は意外と多いです。
節税の面だけに目を向けないように注意してくださいね。
不動産投資成功の秘訣
不動産投資を成功させる秘訣はパートナー選びです。広告で出ている不動産投資物件や、営業を仕掛けてくるような物件は絶対に買ってはいけません。良い物件は色々な人が買いたがっている中で、不動産投資会社が「順番を待っている人にどうぞ」と分けてくれます。さらに、一番良い物件は不動産投資会社自身が買います。
そうではなく、誰も買わないような物件が広告に掲載されたり営業をかけられたりするので、そういう物件は絶対に買ってはいけません。さらに言えば、そういう物件をおすすめしてくるような不動産投資会社は絶対にダメです。
管理をしていない不動産投資会社もダメです。物件を売るだけ売って入居者探しなどを放置するような不動産投資会社は信用できません。家づくりと同じように「売ったらおしまい」ではなく、アフターの部分までやってくれるような不動産投資会社じゃなければ信用できません。
良い不動産投資会社の見極め方
見極め方に王道のテクニックはありません。自分で勉強して自分で見極めるしかありません。また、ブログやYouTubeや本などで日々の情報発信を見て細かくチェックすることが大切です。対面での打ち合わせの際の一言や二言でOKを出すのではなく、会社が日々情報発信をしているか、それが理にかなっていて信頼できるかどうかをチェックしてください。
これも家づくりと同じです。私が言っている、やっていることが信頼できるかどうかは、全ての動画やブログを見て判断してください。それと同様に不動産投資会社の見極めはめちゃくちゃ難しいので、慎重にやっていくしかありません。
実際、どれくらい儲かる?
細かく言うと生々しいですが、自己資金1,000万円の投資でレバレッジを効かせ、10~15年で2,000~2,500万円くらいになるような物件を買えれば大成功です。管理費用や入居付の費用や税金などを引いて、10年間で1,000万円儲かった計算になります。これだと利回りで10%くらいになるので、全然OKです。
事業をやっていると「10年間で1,000万円なんて大したことない」という感覚になる人もいるでしょう。「それなら自分で事業をやった方が早い」というのは正解です。ただし、それだけでは面白くないので不動産投資をして節税しながらお金を動かし、徐々に分散事業をすることが大切です。
巷で言われている「利回り」はインカムゲインのことばかりを指しています。これだけを見ていると失敗するので注意してください。不動産投資というのは、インカムゲインとキャピタルゲインの合計です。節税物件の場合は、節税額とインカムゲイン、キャピタルゲインの合計です。物件の購入から管理、入居者の確保までを一貫してサポートしてくれる会社とパートナーを組み、細かくシミュレーションしながら計画を立てれば、成功の確率が高い投資になると考えています。