最悪の平屋7選とその解決策を紹介!知らずに建ててはダメ!

最悪の平屋7選とその解決策を紹介!知らずに建ててはダメ! | 家づくりの前に

1階完結型間取りの究極形である「平屋」は人気の間取りですが、実はその平屋で失敗する人も増えてきています。住宅会社は平屋のメリットばかり伝えますが、やはり家づくりは施主の自己責任。施主の知識やテクニックで、そのデメリットを回避していくことが重要です。平屋を考えている人はもちろん、1階完結型で1階を充実させる2階建てを考えている人も、ぜひ参考にしてくださいね。

平屋のデメリットもしっかり確認しておきましょう!

本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!

参考動画:最悪の平屋7選とその解決策を紹介!知らずに建ててはダメ!

平屋で失敗してしまう理由は?

最近、平屋の人気が高くなっているため、ホームページやチラシで「平屋!」と宣伝すると、たくさん人が集まります。その結果、今まであまり平屋をやってこなかった工務店や、平屋が苦手な工務店も平屋に取り組み始めているので、おかしな平屋の間取りも結構増えています。

「高気密・高断熱で快適なはずが、住んでみたら夏に暑い!」となってしまい、工務店に相談しても「エアコンで対策してください!」と言われて困る施主さんもいます。他にも、平屋独特のリスクとして、音問題があります。家族の生活音が気になり、家族同士でストレスが溜まってしまうんですね。

このように平屋のトラブルがたくさんあるので、今回は「最悪の平屋7選」として紹介していきます。今回紹介する「やってはいけない平屋」の特徴は、こちら!

  1. 夏めちゃ暑い平屋
  2. 音だだ漏れ平屋
  3. 薄暗い平屋
  4. 金食い虫の平屋
  5. ダサい平屋
  6. 災害リスクが高い平屋
  7. 足腰が弱る平屋

リスクの特徴だけではなく、そのリスクを回避してトラブルにならない方法も紹介していくので、ぜひチェックしてください!

 

失敗したらこうなる!最悪の平屋①夏めちゃ暑い平屋

既に例として紹介した通り、夏にめちゃ暑い平屋には絶対にしてはいけません。そもそも、なぜ夏の平屋が暑くなるのかというと、平屋というのはある意味最上階なんです。2階建てだったら2階が最上階、10階建てのマンションなら10階が最上階ですよね。そのような最上階は、上に部屋がないので、ジリジリと太陽の熱の影響をモロに受けてしまいます。

平屋の場合、家が全部最上階なので暑くなるんです。普通に建てたら、夏に天井からジリジリと熱が来て、屋根裏がカンカンに暑くなり、その熱で天井が熱くなり、その熱がじんわりと落ちてきます。「冷房を23度とか24度にしてるけど、なんか暑いよね」という状態になるんです。難しい言葉を使うと「輻射熱」といいますが、このように天井が暑いと、空気が涼しくても熱がじゅわ~っときてしまいます。逆に、上が冷えていたら空気中の熱を奪ってくれて、涼しくなるのも輻射熱の影響です。

この面倒なところは、住んだ後で「暑い!」と思ってもどうしようもないんです。住んでから「断熱性能をアップしよう!」と思っても、大ごとになってしまいますよね。「エアコンをガンガン使うしかなくなる」という最悪の事態になるので、これは絶対に建てる段階で対策をしてください。

今から紹介する2つの対策をすることで、平屋特有の「家全体が最上階で、夏に暑い」というデメリットを軽減することができます。

 

夏にめちゃ暑くならないためにできる対策①屋根断熱をしっかりやる

対策の1つとしては、屋根断熱という上部の断熱をしっかりやることです。私としては、壁の断熱の最低でも2倍を推奨しています。【せやま基準一覧表】に書いてありますが、壁の断熱よりも屋根の断熱の方が重要です。余裕があれば、2.5倍くらいやってください。特に平屋の時は、屋根断熱をしっかりすることが重要です。

 

夏にめちゃ暑くならないためにできる対策②窓からの日射を遮蔽

特に東と西は、朝日や夕日がギャンギャン入ります。また、朝や夕方は太陽が低いので、太陽の光がモロに家の中に入ってしまうんです。こうなると窓にストーブを置いたような状態になってしまうので、東と西にはなるべく窓をつけないようにしましょう。つけたとしても、小さな窓にするのがおすすめです。どうしても大きな窓をつけなければいけない時には、アウターシェードやよしずやすだれをつけて日射を遮蔽し、太陽の熱を家に入れない対策をしましょう。

 

失敗したらこうなる!最悪の平屋②音だだ漏れ平屋

平屋はワンフロアなので動線は良いんですが、音も響きやすいというデメリットがあります。2階建ての場合は階段ホールがあって1階と2階が遠く、音が響きづらくなります。一方、平屋はワンフロアなので全ての音が響いてしまいます。

「家族が仲良く過ごすためにリビングに集まる家にしたい!」と親としては思いがちですが、子どもにしてみれば「プライバシーもあるし」や「プライベートな時間もほしい」と思ってしまいます。また、仲の良い夫婦でも、いつも一緒にいると喧嘩してしまいます。それぞれの家族の時間も大事ですが、音がだだ漏れだとストレスMAXになりますよね。

特に、マンションのようにLDKに主寝室や子ども部屋といった全ての部屋が面しているような間取りは、原則やめた方がいいでしょう。「終の棲家」で二人暮らしとかなら、二人しかいないので気にしない人もいますが、子どもがいて家族4~5人で住む場合はおすすめできません。

こんな間取りにならないための対策は、こちらです。 

 

音だだ漏れ平屋にならないための対策:ちょっと廊下を作る

音がだだ漏れでストレスMAXの平屋にならないための対策として、廊下をちょっと作るようにしましょう。LDKや水回りといった家族の共有スペースと、主寝室や子ども部屋などの居室空間の間に、ちょっとでも良いので廊下を作りましょう。それによって音を緩和することができます。なんならLDKと廊下の間に扉を付けるのも良いでしょう。このように、音の対策はしっかりやるのがおすすめです。LDKに全ての部屋が面しているような間取りにしたらダメということは注意してください。

 

失敗したらこうなる!最悪の平屋③薄暗い平屋

平屋というのは暗くなりがちですが、薄暗い平屋はおすすめできません。そもそも平屋は1階に全てが入っているので、LDKなどが真ん中にある配置になりやすいんです。たとえば左側に玄関があり、真ん中にLDKがあり、右側に水回りがあるような配置ですね。このようにLDKが真ん中に挟まれてしまうと、窓をつけられる壁の面が少なくなってしまうというリスクがあります。

ただ、この対策も簡単ですね。

 

薄暗い平屋にならないための対策:LDKをどちらかの角に配置する

LDKをどちらかの角に持って行き、二面採光にすれば、薄暗い平屋になることは避けられます。「南と東」とか「南と西」にして採光してください。もちろん東や西の窓は小さめにしなければなりませんが、LDKを角に配置して二面採光にすれば、明るくなります。一面の採光だと抜け感や開放感が失われてしまうので、この点は注意してください。

また、主寝室や子ども部屋に関しては「南に絶対持ってくる!」のようにこだわる必要はありません。主寝室などは方角や採光にこだわらず、北側の配置で良いでしょう。東や西の配置になった場合は、大きな窓をつけないように対策すれば大丈夫です。それよりもとにかくLDKの開放感が一番大事なので「居室は寝るだけ!」と割り切って、部屋の配置を考えてみてください。

平屋の間取りに関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。
【せやまどりNo.38】3畳ランドリールーム付き平屋!28坪4LDKの家

 

失敗したらこうなる!最悪の平屋④金食い虫の平屋

平屋を建てようと思うと、まずは広い土地が必要になります。郊外や田舎なら良いんですが、街中だと土地の確保が難しくなりますよね。そんな時は、無理に平屋にする必要はありません。1階完結型の2階建てを建てるのもアリでしょう。

工務店からは「1階と2階が同じサイズの総二階の方が、コストが落ちるのでおすすめです!」なんて言われることもありますが、そんな間取りにすると2階が無駄だらけになります。なので1階を広くして2階はちょっとの広さにしましょう。それで、「直下率」といって、1階と2階の壁や柱の位置を揃えていくのがおすすめです。

 

金食い虫の平屋にならないための対策①無駄に広い土地にしない

建ぺい率などにもよりますが、平屋を建てる時は45坪~50坪程度あれば十分です。「平屋だし、70坪とか80坪にしよう!」なんて考えたら、庭ばかりの平屋になってしまいます。

「広い庭なんていいじゃん!」と思うかもしれませんが、庭なんてそれほど広くする必要はありません。家庭菜園などをする人は良いですが、そうじゃないなら庭は管理が大変です。暑い夏に草むしりをしたら、それだけで熱中症のリスクがありますよね。「じゃあコンクリートの庭にしましょう!」なんて考えると、今度は外構費用がたくさんかかってしまいます。というわけで、庭をなるべく減らしていくことを考えつつ、平屋だからといって広すぎる土地にしないことが大切です。


また、建物に関しても平屋は建築費用が割高なことを覚えておきましょう。「30坪の平屋」と「30坪の総二階(1階15坪+2階15坪)」だったら、平屋の方が坪単価8万円~10万円くらい高くなります。つまり30坪だったら、300万円くらい平屋の方が高くなるんですね。

この理由としては、総二階の場合は基礎のサイズが15坪、屋根のサイズも15坪になります。一方、30坪の平屋の場合は上から見ると大きくて、基礎のサイズも屋根のサイズも30坪必要になります。このように、基礎と屋根のサイズが総二階の倍になるので、平屋は割高になってしまうんですね。

 

金食い虫の平屋にならないための対策②家をコンパクトにする

平屋だったら、30坪はデカすぎます。階段だってないので、27坪~28坪くらいを目安にしていいでしょう。場合によっては、25坪~26坪くらいでも全然いいと思います。それでも30坪の2階建てよりは少し高くなるかもしれませんが、それでも余りある平屋のメリットはありますので、「コンパクトな平屋」を意識しつつ、LDKの開放感と収納は充実させながら作ってください。削るのは廊下とか無駄な通路とか、よく分からないスペースです。ぜひ【せやまどりルール】を勉強しながら、やってくださいね。

 

失敗したらこうなる!最悪の平屋⑤ダサい平屋

平屋の外観っていうのはなかなか難しく、公民館のようなちょっとダサい外観になりがちなんです。

 

ダサい平屋にならないための対策:適度に凹凸を作る・外構を頑張る

ダサい平屋にならないためには、適度に凹凸を作るなどのテクニックがおすすめです。ただし、それも難しい場合には、外構を頑張るのがおすすめ。

家の形や外壁でデザインを取ろうとする人が多いですが、実は家もお化粧が大事なんです。もちろんベースも大事なんですが、外構で頑張ったらそれなりの外観の平屋になります。なので家のフォルムなどで間取りを優先して「なんか公民館みたいになった」という場合も、ちょっと外構を頑張ればカッコ良い平屋にすることができます。

ただし、やってはいけないのは「外壁を2色使うこと」です。「外壁を2色にすれば、とりあえずカッコ良くなるんじゃないか」と勘違いする人もいますが、とりあえずの外壁貼り分けは推奨しません。もちろん、ちゃんと凹凸が綺麗になっていればカッコ良くなりますが、「とりあえず窓のところに線を入れておこう!」とか「上下で色を分けてみよう!」なんてやるとシマウマみたいな家になってしまいます。なので、ベースは1色にして、外構を頑張る方向で考えるのがおすすめです。

 

失敗したらこうなる!最悪の平屋⑥災害リスクが高い平屋

平屋は1階部分しかないので、垂直避難のように「2階に逃げる」ということができず、災害リスクが高くなりがちです。なので、平屋は災害に弱いと言われています。

 

災害リスクが高い平屋にならないための対策:ハザードエリアの土地を選ばない

平屋を建てる時は、ハザードマップをちゃんと見て、ハザードエリアの土地を選ばないようにしましょう。選ぶ場合でも、せめて浸水50cm未満の土地にするのがおすすめです。

また「この地域は全部、川が氾濫したら浸かってしまうんだ!」みたいな土地で建て替えをする場合は、あえて2階を残しておくのも手だと思います。1階完結型にして、1階にLDKと和室、主寝室とWICを配置して、2階に2部屋だけ子ども部屋を作るような「ほぼ平屋」の間取りにするのもおすすめです。そうすれば垂直避難もできますし、コストも総平屋よりは少し割安になりますので、そういう折衷案を考えてみるのも良いでしょう。

「ほぼ平屋」の間取りに関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。
【せやまどりNo.35】ほぼ平屋の1階完結型!4人家族に最適な31坪3LDKの家

 

失敗したらこうなる!最悪の平屋⑦足腰が弱る平屋

これは地味に大事なポイントですが、足腰が弱る平屋にならないように注意しましょう。平屋に住んだことがある人だったら実感する人も多いのではないでしょうか。階段の上り下りというのは、結構なトレーニングになるんですよね。体力を維持するためには、非常に大事なんです。一方、平屋に住むと階段がないので、足腰が弱りやすいんです。

 

足腰が弱る平屋にならないための対策:日々のトレーニング

平屋なので「階段をつける」というわけにはいきませんよね。なので、平屋に住んだら、日々のトレーニングをしてください。30分のお散歩でも、週に一度のジョギングでも、ジム通いでも構いません。

私としては、家で腕立て伏せやスクワットなどの自重トレーニングをしたり、ちょっと散歩をするのがおすすめです。それだけでも全然違うようですので、ぜひ試してみてください。平屋に住むと「足腰が弱ってからも1階完結で過ごせていいね」というのがメリットですが、その分身体への負荷が下がってしまいます。平屋に限った話ではありませんが、日々の運動や筋トレを日々意識することが重要です。

 

まとめ

最悪の平屋の特徴7選と、その対策

  1. 夏めちゃ暑い平屋:屋根断熱と日射遮蔽をしっかりする
  2. 音だだ漏れ平屋:共有スペースと居室スペースを廊下やドアで分ける
  3. 薄暗い平屋:LDKを角に配置し、2面採光にする
  4. 金食い虫の平屋:土地も家もコンパクトにする
  5. ダサい平屋:外構を頑張る
  6. 災害リスクが高い平屋:ハザードエリアを回避する
  7. 足腰が弱る平屋:日々の運動を忘れずに

PROFILE

最悪の平屋7選とその解決策を紹介!知らずに建ててはダメ! | 家づくりの前に

せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

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